会計帳簿をつけるのは、忙しい創業期では非常に面倒な作業です。

専門知識が必要ですし、継続に行わなければならない作業なので、事業を継続していく限り終わることはありません。

創業しましたら、ぜひ正確な記帳をオススメします。

会計簿記を正確に行うことで、経営状態を正しく把握できます

事業者は、日々の取引について正しく帳簿付けをしなければなりません。

記帳の方法としては、単式簿記と複式簿記の2種類があるのですが、簿記といえば複式簿記を指すのが一般的です。

では、なぜ簿記を正確に行う必要があるのでしょうか?

単式簿記は家計簿のように一つの科目に絞って記帳するのに対し、複式簿記とは原因と結果、二つの側面に注目して記帳する方法です。

帳簿の左側を借方、右側を貸方といい、取引内容を左右それぞれに分けて記入します。

例えば1,000円の商品を現金で仕入れた場合、
(借方)仕入 1,000円/(貸方)現金 1,000円

といった具合に、仕入れによって現金が減った、という原因と結果がわかります。

このように複式簿記には複雑なルールがあり専門知識を必要としますが、このお金はどうやって得たものか、資産や負債がどのくらいあるのか、といったことがわかりやすく、財政状況を正しく把握できるというメリットがあるのです。

金融機関から融資を受ける際に評価が高まる

金融機関で融資を受けたい場合、決算書の提出が必要です。

金融機関はおよそ過去3年分の損益計算書や貸借対照表を見て、会社の営業成績や財政状態を判断するわけですが、やはりまず評価に関わってくるのは「赤字か黒字か」や、「債務超過(負債の総額が資産の総額を超えている状態)ではないか?」といったところです。

安定して黒字であり、純資産がプラスであれば融資を受けやすいですが、必ずしもそうでなければ融資が受けられないというわけではなく、「業績は少しずつ良くなっている」「赤字は一時的なものである」といったことを根拠づけて説明することで、評価を上げることができます。

さらに、あらかじめ金融機関が懸念を持ちそうなポイントについて、しっかり説明できるようにしておくとよいでしょう。

そのためには、日々の帳簿付けを正確に行い、決算書を見て説明ができるよう、財政状況をしっかり把握しておきましょう。

正しく記帳することで、青色申告で優遇される

確定申告には青色申告と白色申告の2種類がありますが、簡易な帳簿付けでよい白色申告よりも、複式簿記での記帳が必要な青色申告のほうが控除が多く受けられます。

控除額は白色申告は10万円、青色申告は最高65万円ということで、かなりの節税効果が。

また、ほかにも青色申告のメリットとして、

・30万円未満の資産のを取得した場合、一度に経費にすることができる

・家族への給与を経費にできる

・赤字を3年繰り越せる

などがあります。

ただし、青色申告をするためには事前に「青色申告承認申請書」を提出する必要があり、必要書類も多くなりますのであらかじめよく確認しておきましょう。

まとめ

忙しい創業期、帳簿付けは大変な作業です。

しかし、正確に行うことで得られるメリットが大きく経営にも役立ちますので、ぜひ丁寧・正確に行うことをオススメいたします。

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